M&A

第二章 事業承継をしたハクレイ酒造株式会社について

「事業承継経験者だけが知っている
M&Aの真実」

190年続く老舗会社11代目当主が語る事業承継

事業承継経験者の売手の話・買手の話

第二章 事業承継をしたハクレイ酒造株式会社について

本誌で紹介する事業承継は、実体験を元にした内容となっています。そのため、内容を理解しやすいように、筆者の承継したハクレイ酒造の事業内容・歴史から紹介していきます。ハクレイ酒造の創業は、1832年に京都府宮津市の丹後由良で誕生し、11代にわたり受け継がれてきた古い歴史のある酒蔵です。1950年に法人化し、2018年に11代目当主である私から現在のオーナーである、友桝ホールディングス株式会社 代表取締役社長の友田諭氏に事業を承継しました。

 

ハクレイ酒造のこだわりとして、「米と人と水の調和」を大切にした製造手法を大切にしています。米は京都産山田錦など酒造好適米を契約栽培からおこない、水は由良ヶ岳中腹から湧き出る天然水を使用しているので、甘口酒や辛口酒を自在に醸すことが可能です。こだわり抜いた材料を使用し、変わらぬ伝統的な醸造方法で、今日まで継承し続けています。

 

また、ハクレイ酒造は、酒造りだけではなく地域社会の貢献もおこなっています。江戸時代から酒造りをおこない、今日まで酒蔵を守り続けてこれたのは、地域の方々の支えがあってこそです。そのため、ハクレイ酒造は、自然豊かなこの地域を守るために、収益を地域社会に還元し、小学校や郵便局の設立支援、地域のアーティストへの援助・育成をおこなってきました。さらに文化事業の招聘をおこない、地域の方や観光客を呼び込むことで、持続可能な事業モデル構築にも取り組んでいます。

 

収益を還元して地域に奉仕・貢献をしていかなければ、酒蔵としての存在意義はないと考えています。そのため、日々どのように地域に奉仕・貢献のできる事業であるかを考え、「地域に必要とされる酒蔵」をいつも目指しています。

ハクレイ酒造は、”人と人”や”人と自然”、そして”人と地域”のつながりによって、今日まで長く運営されてきた伝統のある事業なのです。

第三章に続く・・・

第三章 売主の話 / 3.1.後継者がいない

ABOUT ME
中西 哲也
現在の職業:コンサルタント・セミナー講師   略歴:昭和39年生まれ。中西家11代目当主  ミッション:本当の事業承継(Happy_M&A)を実現しましょう! あなたが望めば、あなたの大切な事業を承継したい、未来の後継者は必ず現れます。