「事業承継経験者だけが知っている
M&Aの真実」
190年続く老舗会社11代目当主が語る事業承継
事業承継経験者の売手の話・買手の話
第一章 はじめに
事業承継は、人から人へのバトンパスであり、創業者の歴史や技術、ノウハウを後世につないでいくための大切な手法の一つです。また、事業を受け継ぐことで、日本の「モノ創り」を世の中に広め、文化や伝統を後世残す働きにつながります。
しかし、近年、事業を継ぐ後継者不足によって、多くの企業が廃業に追い込まれており、2022年上半期だけを見ても224件になります。（東京商工リサーチ調べ）先代から引き継いだ事業、一世代で築き上げた事業を後世に残していくことは、決して容易ではないです。たとえ、どんなに事業が上手く軌道に乗っていても舵をとる”人”の力が無くなれば、前に進むことはできません。
また、事業承継をおこなう場合には、幾多の困難や難問を乗り越えていくことが必要になり、簡単に譲渡できないのも事実です。さらに事業承継は、親族内承継、親族外承継、M＆Aがあり、誰が承継するのかによって、引き継ぎにかかる時間やスキルも異なります。
また、ただ事業を承継するだけでは、失敗に終わる可能性が高くなるので、まずは本質を理解することが必要です。そして、引き継ぐ者、受け継ぐ者がお互いに感謝し合える関係性を構築することで、本当の事業承継（Happy_M＆A）と呼ぶことができます。
そこで、190年続く老舗会社11代当主が経験した実体験から、売手・買手の話（本音）を詳しく解説し、事業承継を考えている方に向けて役立つ内容を紹介していきます。また、表面上のやり取りではなく、深層に迫った事業承継の在り方についても触れていきます。この本であなたが事業承継の本質を理解することで、良き後継者となるパートナーを見つけることができ、あなたの事業を後世に残していくことができるでしょう。事業承継を成功させることで、歴史・文化を後世に引き継ぐことができ、日本社会に大きく貢献することが可能です。
本誌では、事業承継のリアルを書き記していますので、あなたの想いやカタチを後世に残していく手助けとなれば幸いです。また、事業承継で悩んでいる方の後押しとなる内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。あなたが望めば、あなたの大切な事業を承継したい、未来の後継者は必ず現れます。
第2章に続く・・・
